住宅購入の諸費用の目安は?

諸費用は物件価格の約5%~10%

不動産を購入するときには物件本体の価格以外に諸費用が発生することはご存知だと思います。

では、どのくらいの金額を考えておく必要があるのでしょうか?

これは購入される不動産や金融機関、司法書士・土地家屋調査士などの専門家、引っ越し時時期によって変動するため流動的な数字になりますが、ある程度の概算金額を知っておくことが大切です。

  1. 売買契約時に支払う諸費用
  2. 住宅ローンの融資に関する諸費用
  3. 引渡しの際に必要な諸費用
  4. 購入後に必要な諸費用

大きく分けて諸費用にはこの4種類が必要になりますのでそれぞれ詳しくご説明します。

①売買契約時に支払う諸費用

契約時にも結構な諸費用が必要ななります。

①売買契約手付金

契約時に先払いするお金のことになります。

一般的には物件価格の10%程度あるいは100万円程度を支払ことが多いようです。

売主が不動産業者の場合は売買金額の20%を超える手付金を受領することは基本的にはできませんので注意が必要です。

手付金に関してよく誤解される方がいますがこの手付金は売買価格の一部を先払いするだけなので余分に必要なお金ではありません。

この手付金というのは内容をしっかりと確認する必要はありますがほとんどは「解約手付金」というもので契約を白紙に戻したい(契約はしたもののやっぱり購入を取りやめにしたい)ときのペナルティになります。

②売買契約書の印紙代

これは売買契約書に貼る収入印紙のことになります。

なぜ、収入印紙を貼るのは、これで税金を納めるためです。

つまり、収入印紙を購入し、これを張り、消印を押すことで納税をしたことになります。

売買契約書は課税文書といって、経済活動において交わす文書のうち、課税の対象になる文書のことです。

収入印紙を貼ることでよく知られているのは領収書ですが、領収書だけではなく、基準を満たす課税文書一般に貼る必要があります。

②住宅ローンの融資に関する諸費用

住宅ローンを借りる際にも必要なお金があります。

①住宅ローン保証料

不動産を購入する際に住宅ローンを組まれる方がほとんどだと思いますが、その借り入れについては保証会社に保証してもらうのが一般的です。

その保証会社に支払うのが「住宅ローン保証料」です。

なぜ、保証会社が必要なのかというと万が一、不動産の購入者であるあなたが何かの事情で住宅ローンの返済ができなくなった場合、あなたの代わりに金融機関に対して弁済してくれます。

ただし、ここで注意が必要ですが代わりに返済してくれると言ってもあなたが借りている住宅ローンの支払いが免除されるわけではありません。

返済する相手が変わるだけで今度はあなたが保証会社に対して返済するようになるだけです。

これはあくまでも金融機関を保護する制度であり、借主であるあなたの返済をチャラにするものではないことに注意しましょう。

「それなら保証料を払いたくない」と言ってもこれは住宅ローンを借りる際にほぼどの金融機関でも保証料の支払いは絶対条件のようになっていますので避けては通れません。(フラット35などは保証料はありませんが返済不能になった時には自分で金融機関に一括で残額全額を返済する必要があるので実質は何かで担保する必要があります。)

この保証料は借入時に一括で支払う方法と住宅ローンの金利に上乗せする方法の2パターンがあり、金利に上乗せする場合は大体、0.2%~0.3%程度の金利アップになります。

②融資事務手数料

住宅ローンを借りる金融機関に対して支払う手数料でおおよそですが3万円~5月万円程度が多いと思います。

金融機関によっては融資金額の何%というところもありますので金融機関にご確認ください。

③団体信用生命保険

これは私が営業マン時代にはお客様には保険のようなものですとよくご説明をしていましたが住宅ローンの借主であるあなたが万が一、死亡したり所定の高度障害(ガンや脳卒中など)になってしまった場合、残った住宅ローンの残債額を保険会社が一括返済してくれるのが団体信用生命保険です。

これはどこの金融機関で住宅ローンを借りても金融機関が保険料を負担してくれるので借主の負担は基本的にはありません。

金融機関によってはガン団信付き(がんと診断されたら残債額の支払いを免除する)という保険が借主の負担なしで付帯できるケースもあります。

この辺りは金融機関によって色々なケースがありますので比較・検討してみてもよいかも知れません。

④火災保険料・地震保険料

住宅ローンを組むと火災保険は強制的に加入しなくてはなりません。最近は地震被害も多いので私のお客様も地震保険に加入される方がほとんどです。

火災保険の何に水害保険を付けるかということを悩まれる方が多いのですが近年、九州などで水害で家が流されるという被害が多くなってきておりい以前に比べると水害保険を付帯すると保険料がぐんと上がります。

あくまでも私の個人的な意見ですが水害保険で保険適用されるのが床上浸水が発生したときのみです。

要は河川などが氾濫して自宅の1階の床以上の高さまで浸水しないと保険が適用されないということになるのです。

京都市内ではほぼ考えられないと私個人は考えているのであまりお勧めはしておりません。

しかしながらこれはあくまでも私個人の見解なので京都市内でも嵐山のあたりでは堤防を越えて桂川の水がすぐそこまで来た!なんてこともありましたので各人でご判断下さい。

⑤金銭消費貸借契約書の印紙代

なんだか舌を噛んでしまいそうな名前ですがこれは簡単に言うと金融機関からローンを借りる際に住宅ローン契約を結ぶ必要があり、その契約書にも印紙を貼らなくてはなりません。

③引渡しの際に必要な諸費用

引渡し時の諸費用

①建物表示登記費用

これは新築物件を購入するときにのみ必要になる費用なので中古物件の購入の際には不要です。

新築の建物になるため建物の登記簿を新たに作成する必要がありますのでそのための費用になります。

通常は土地家屋調査士が申請を行いますが報酬額は概ね10万円前後です。

②所有権保存登記・抵当権設定登記

①の建物表示登記が完了すると次は所有権保存登記および抵当権設定登記を申請します。

所有権保存登記は所有者を抵当権設定登記では借入金額・債権者(金融機関)・債務者(住宅ローンを返済する人)などが法務局に登記されます。

通常は司法書士が申請業務を行います。

報酬額は購入される不動産によって変わりますのであらかじめいくらぐらいかかるかを聞いておいたほうが良いでしょう。

③仲介手数料

通常、不動産会社に仲介してもらった場合は仲介手数料が必要になります。

仲介手数料は上限金額が決められており、売買金額が400万円超の場合は「売買金額×3%+6万円+消費税」となります。

まれに不動産業者が契約時に仲介手数料の半金を要求する場合がありますが、個人的には本来は取引がきちんとできた対価で支払われるお金だと思います。

ただでさえ、不動産を購入するとなると諸々の諸費用が契約時必要になります。

初めから潤沢に資金があって家を購入される方は少ないと思いますので、契約時から自社の取り分の事を要求する業者には個人的な意見ですが不信感を持ってしまいます。

④固定資産税および都市計画税の日割り精算金

固定資産税は関東と関西では起算日(いつからカウントを始めるか)が異なりますが関西は起算日が4月1日となっています。

要するに2019年4月1日~2020年3月31日が1年という考えで計算します。

具体的に言いますと引渡しが仮に2019年12月20日だったとしたら

売主の固定資産税負担分は2019年4月1日~2019年12月19日
買主の固定資産税負担分は2019年12月20日~2020年3月31日

となり1年間の固定資産税額を365日で割ってそれぞれに日数をかけて各々の負担額を算出します。

都市計画税も同様です。

固定資産税と都市計画税は毎年かかる税金なので、いくらの年額になるのかは事前に確認しておいたほうが良いでしょう。

④購入後に必要な諸費用

引越し後も結構な諸費用が必要です。

①不動産取得税

土地及び建物を取得した時に課される税金です。

居住用の場合は大幅な軽減措置があるので特に新築住宅などの場合は課税されないことが多いです。

②引っ越し費用などその他

やっと我が家が手に入ったと喜んだと思ったら、住むための付帯設備を揃えるのにも結構な出費が必要になります。

エアコン、家具はもちろん3月中の引越し代も結構高くつきますので購入後の出費も見据えて無理のない価格の物件を探すことも必要です。